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可燃性断熱材の危険性

2015/06/06

外断熱に使用される発泡プラスチック系断熱材や、内側から直接壁や屋根面に吹き付ける発泡ウレタンはハウスメーカーにとっては極めて容易な、そして確実な断熱工法として日本ではポピュラーなものになっていますが、大切な家族を守るための住まいにとって本当に安心安全なものであると言えるのでしょうか?

高断熱住宅が作られた目的

高断熱住宅には、暖かく住みやすいという目的と同時に、少ない排出ガスが地球環境を守るという大きな命題があります。特に北欧、ドイツなどでは環境問題に対して国民の意識は高く、ハウスメーカーや建材メーカーは、国民の厳しい目を意識した営業戦略が不可欠となっています。よってドイツなどでは化石燃料を原材料にした発泡プラスチック系やウレタン系の断熱材は住宅に使用される建材には認定されてはおりません。当たり前と言えば当たり前なのですが、化石燃料の使用を削減する目的で作られた建物に化石燃料で作った断熱材を使用するなどしたら全く辻褄が合いません。

問題の先送り?

「我が亡き後に洪水はきたれ」とは自分の代さえ満足すれば、孫子の時代は我関せず…という例えですが、発泡系プラスチック、ウレタン系断熱材を使用した建物はまさにこれと同一です。今、現在は暖かい、そして地球環境に優しい省エネ住宅と標榜する建物であっても建物寿命が尽きれば解体するしかありません。一般的に解体すれば焼却処分となりますが、焼却時にはどのようなことが想定されるでしょうか?…発泡プラスチックやウレタンは燃焼することによって大量のCO2とともに有毒ガスを発生させます。建てた当時は燃料費がかからず、エコで省エネと言われた建物が温暖化ガスの発生原因とは…何とも皮肉な話ですが、これらの事情を推察すれば、発泡プラスチックやウレタン系断熱材に囲まれた家は、本当の意味でのエコハウスとは言えるものではないのです。

全国消防長会が可燃性断熱材の不燃化を要望

ある記事によると、全国消防長会は、可燃性合成樹脂発泡体を断熱材に用いた消防対象物に係る防火安全対策の推進に関する要望の中で、倉庫等に使用されるウレタン樹脂、スチロール樹脂等の可燃物合成樹脂発泡体を用いた断熱材は、火災発生時に燃焼拡大及び爆燃までの時間が短時間であり、避難、消火活動に大きな危険が伴うとされ、可燃性樹脂発泡体を断熱材に用いた建物に係る安全対策の推進を要望しているとのこと。

延焼の危険性は無視できない

例えば住宅密集地において、隣家から火災が発生したら少なからず延焼する危険が伴います。将来必ず起こるであろうと言われる首都直下型地震や、南海トラフ地震などが発生した場合、多くの火災が起こることが想定されますが、発泡プラスチックやウレタン系の断熱材を使用した建物は、どのような状況になるのかは上記の記事からある程度推察することが可能です。多くの断熱材には一長一短ありますが、身の危険を承知しながら爆燃するようなものをあえて使うことだけは避けなければなりません。