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契約を巡る四方山話

2015/06/22

NHKのクローズアップ現代でサブリースにおけるセールストークの実態が放送され,かなりの反響があったようです。映像から窺えるのは、なりふり構わぬセルーストーク、契約書との齟齬など一切お構いなしの詐欺まがいとも思える内容でした。実際あのような饒舌さをもって説明されれば、素人は何のためらいもなくサインをしてしまう危険性があります。以下営業マンはどのようなテクニックをもってセールスをしていたかを過去の事例を参考に紹介します。

ケースその①バナナのたたき売り

知人のKさんの話によれば、地主である奥さんの実家の隣町に大手の工場が進出してくるため、多くの従業員の社員寮としてアパートを建てれば30年間一括して借り上げ、その上相続税が安くなるなどとして連日連夜、自宅に押し掛けたサブリースの営業マン。余りのしつこさに辟易した主人は、Kさんを頼り、それらの事情を相談した処、口車に乗ってはならないと忠告されたため一度は断ったそうです。それでも営業マンは諦めず、当初提示した1億前後の見積もり金額から2千万円ほど値引くから契約してくれと迫りましたが、主人はYさんのアドバイス通りキッパリと断わりました。ここで普通の営業マンなら引き下がるのですが、数日後、再び訪ねてきて、提示額から、さらに4千万円値引くと言ったそうです。さすがの主人は呆れて二度と来ないようにと断りを入れ事なきを得ました。そもそもこのアパートの原価って本当はいくらだったのでしょうか…?

ケースその②泣き落とし

Mさんは自宅を建てるため方々の展示場を見て回りました。その中で某ホームの建物に興味を抱き、仕様や金額を聞きたいと営業マンに説明を求めました。トントン拍子に話は進み、プランが確定していないにも拘わらず、営業マンから当月のノルマが達成できそうもないので、とりあえず契約を先行してほしいと懇願されたそうです。Mさんにしてみれば、建物のプランも何も決まってはいないことから一抹の不安を抱きましたが、有名ハウスメーカーの社員でもあり、自ら学士と披歴した営業マンを信用し、その言葉に従って何となく契約書にサインをしました。その際に添付されてた平面、立面、仕様書などの図面の類は自分の希望したものではなく,間に合わせのために適当なプランをそっくり借用したものでした。Mさんは契約をしたものの不安になり、その場しのぎの図面を見て本当に自分の家は希望通りのものができるのかと問いただしたそうです。しかし当の営業マンは大丈夫の一点張り…ほどなく着工となり上棟時の屋根や間取りを見てMさんは呆気にとられました。目前の建物は自分の希望していたものとはほど遠いものだったのです。あれほど打ち合わせをしておきながらなぜ…いろいろと言い訳に終始した某ホームを、もはや信用できなくなったMさん、即刻工事の中止を申し入れ、法的手段をとった結果、調停によって契約を破棄させることができましたが、弁護士費用やその後の継続工事等、その他の経費を含めれば、経済的にもまた精神的にも大きな負担となってしまいました。

ケースその③仮契約を急ぐ訳

Tさんは大手の名のある某ホームと新築に向け話を進めていました。ある日弊社の建物と金額を知る機会があり、心が動いたのでしょう…某ホームの担当営業マンに話を白紙にしたい旨を申し入れたそうです。営業マンにとっては寝耳に水、図面も書き上げ、見積もりも提出したのに何でいまさらという思いが心をよぎったに違いありません。しかし大手のハウスメーカーはこのようなケースも想定し、自己防衛を怠ってはいませんでした。その時はすでに仮契約という手段を講じていたため、それまでかかった経費の支払いを求めてきたのです。金額はざっと400万円、何と法外な…Tさんは解約して400万円を失うことよりも仕方なく弊社を諦め、すべてを某ホームに任せることにしたのです。そして弊社の建物で知りえた基礎、屋根等の厚さや寸法等の変更を申し入れたところ、精算時の追加金額はもろもろで何と500万円だったそうな、結果的には契約をキャンセルしたほうが本人にとってはメリットがあったはず…しかしこればかりはあとの祭り、仮契約という行為を安易に受け入れた結果、全てにおいて相手方の思い通りの筋書きに乗せられ、結露に悩まされる建物に住まざるを得ないことになってしまったのです。

有名メーカーは必ずしも信頼できる会社ではない

こうしてみると様々なタイプの営業マンがいますが、多くのトラブルは営業マンに課せられたきつい営業ノルマが大きな原因でもあるのです。バナナのたたき売り、泣き落とし、仮契約を盾に強引ともいえるこれらの営業手法は、すべて毎月のノルマを達成するために客を囲い込む、いわば営業のテクニックなのです。営業成績が上がれば、高額な収入が約束されますが、ノルマを達成できない営業マンはペナルテーが課せられ、成績次第では会社にいることさえできません。そして退社すれば、再び同様のハウスメーカーを渡り歩くことになるようです。このような理由から顔見知りの営業マンであっても、いつ退社しても不思議な業界ではないのですから、契約時に口頭で交わした約束事すべてがメーカー側に申し送りされているとは限りません。大きな会社=いい会社などと思ったら大間違い…大手ハウスメーカーの営業マンは、客の利益よりも自らの利益を優先していることをクロ現の映像は教示し、安易な契約に警鐘を鳴らしたとも言えます。