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UA値とQ値の違い

2017/10/02

 最近のハウスメーカーの広告の中にやたらと出てくるUA値…ハウスメーカーも2020年を見据え、差別化の一環として自らの住宅性能をアピールすることに余念がありません。ところで頻出するUA値或いはQ値とは、具体的に何を表す数値でしょうか?おさらいですが、Q値は熱損失係数のこと、そしてUA値は、平均熱貫流率をいい、どちらも断熱性能を表す数値です。ところでこの二つ似てはいますが全く非なるものであることをご存知ですか?。Q値(W・K/㎡)は、建物全体の熱損失量÷床面積で求められます。同じくUA値(W・K/㎡)は建物全体の熱損失量÷外皮面積で求められますが、両者の相違点は、分母が床面積と外皮面積だけの違いだけなのですが大きな相違点があるのです。それではそれぞれの利点と欠点とは何でしょうか?Q値は、比較的表面積の大きな家では、その数値は悪化(大きくなる)します。つまり天井高が高く、吹き抜けのある容量の大きな家や、細長く変形した建物、屋根断熱の家などは良い数値にはなりません。しかしその建物が、省エネであるかどうかを確定するには、換気の熱損失を導入しているQ値が基本となります。一方、UA値は、建物の形状を受けにくいため数値が良く出る傾向がありますが同じUA値の建物であってもランニングコストや住み心地に大きな差が出てしまうことが欠点です。かつて高断熱住宅の性能は、Q値のみであらわすことが基本であったのですが、聞くところによれば、国に対するハウスメーカーなどの政治的な圧力等があって数値のみを良く出せるUA値に統一したとか…いずれにしてもハウスメーカーなどのUA値は、簡単なモデル住宅から引き出された一般的な指標に過ぎず、全館暖房にはほど遠い建物であり、信用に足るとは言い切れません。メーカーのレベルは、決して高いものでないということを認識し、数値には惑われることなく標示された性能から2~3割、割り引いて考えるのことが妥当なようです。