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ヒートショック死は交通事故死を上回る!

2014/02/21

都の健康長寿医療センター研究所によれば一年間にヒートショック死する人の数は約17.000人、これは交通事故死が最も多かった1970年の16.700人に匹敵するとのことです。当時は交通戦争と言われ死亡者数を減らすことが最も優先度の高い社会問題として取り上げられた経緯があります。しかしながら同数の死亡者が発生しながらヒートショック死があまり大きな問題に発展しない理由はどこにあるのでしょうか?まず理由の一つとしては死亡者の多くは高齢者であるということ…つまり交通事故の死亡者はいわゆる働き盛りの世代や子供など比較的若い年齢層であったことに比べてヒートショック死はその多くがリタイアした世代のいわゆる高齢者だけの問題として等閑にされてきました。ヒートショックは室温10℃以下の中で体を露出する入浴時にその多くが発生します。裸になることによって血圧が上昇し、さらに暖かい湯につかることで血管が拡張して逆に血圧が急激に低下しますので失神し、そのまま浴槽の中で溺死する割合が圧倒的に多く1月は8月に比べて発生頻度は11倍にもなっています。ヒートショック死は高齢者だけでなく働き盛りである一家の大黒柱と言われる世代といえども油断は禁物です。心筋梗塞や脳卒中などはむしろ働き盛りの年代が最も危険であるとも言われます。これらの突然死を防ぐには断熱改修や高断熱住宅が効果的とも言われていますが、新築当時は老後の体の変化を考えることなく断熱を疎かにして外観や見栄えのみにお金をかけてきた家づくりにも大きな原因があります。本来ならばヒートショック死の数だけでも大きな社会問題になるべきものですが、その原因が社会システムや法律である交通事故とは違い、家づくりという自らの責任によるものだけに世間の耳目も低いのです。いずれにしても家を建てる段階では若い年代もローンを終了するころには立派な高齢者であり、またヒートショック死の予備軍にもなるのです。これからの家づくりは家族の命を守ることと同時に高齢化世代を見据えることが特に重要です。