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低炭素から脱炭素時代への対応

2021/07/07

 政府が2050年までにカーボンゼロ宣言を行ったことから、これからの家づくりの動向に大きな注目が集まっています。ご存じかとは思いますが、日本の全排出量の約3割を占める住宅を含む民生部門は、他に比べて削減が進まない中、この部門の省エネ化の早期推進が喫緊の課題とされていました。中でも住宅に関しては、省エネ化を推進するための基準の目安として平均熱貫流率(UA値)を各地域に設定し、その地域の基準をクリアーすることを奨励してきました。しかしながら現行の省エネ基準は、脱炭素社会を見据えた場合、あまりにもかけ離れた低い数値であり、穿った見方をすれば、取り敢えず業界や多くの工務店を救済するための弥縫策に過ぎないともいわれているのです。この先本気で脱炭素社会を考えれば、全ての建物に今まで以上に厳しい省エネ基準を制度化して義務化を課さない限りカーボンゼロ社会の達成は難しく、いわゆる’絵にかいたモチとなってしまう恐れも出てきます。日本の住宅界を牽引するリーダーたちは、ひとえに現在の省エネ基準が脱炭素時代には合わないものと認識しており、この先の省エネ基準の方向性として、具体的にはHEAT20G2程度まで引き上げることを提言しています。それではHEAT20G2とはどのような基準なのでしょうか?HEAT20G2は、福島県の中通り現行基準UA値0.75に対し0.34とかなり高いレベルに設定され、例えば現在弊社において施工されている付加断熱による長期優良住宅は、このHEAT20G2同様、UA値0.32~0.34の範囲の建物であり省エネ断熱性能合わせて北海道の極寒地に建設しても支障なく暮らせる新住協基準LEVEL2に相当します。これらの厳しい基準を義務化することは、現状での住宅業界を俯瞰すれば、受け入れには相当無理があり、国も業界の顔色を覗いながらすべての業者が受け入れ易い緩やかな基準を設定して段階的に上げていかざるを得ないというのが本音でしょうか。しかしながら今まで同様すべての業者に受け入れ可能な数値だけに終始すれば業界の危機感も希薄となり2050年のカーボンゼロの達成など到底不可能であることは今までの国の政策を振りかえれば妙に納得してしまうのもまた不思議です。