寒い家の健康被害(NHKクローズアップ現代から)
2023/01/18
昨夜(17日)放送されたNHKのクローズアップ現代で寒い家の中で頻発する健康被害が取り上げられました。放送の中でWHOのガイドラインでは室内温度は18度以上が望ましいことも説明されていましたが、詳しくは18℃未満であれば血圧の上昇、循環器系疾患の多発そして16℃未満ではこれらに合わせて呼吸器系疾患につながるとされています。なかでも室内温度の平均値は北海道が最も高く約19℃に対して以外にも温暖地とされる香川県では13℃と西日本ほど室内温度が低く住宅性能が劣っていることが指摘されていました。交通事故の死者数より多いとされる室内でのヒートショックによる死亡事故は、室内各所の温度ムラによって引き起こされる急激な血圧上昇が原因とされていますが、原因の一つとして寒い家に住む人ほど入浴温度を高める傾向があるとも言われ、このような生活習慣が更なる死亡リスクの増加に拍車をかけているとも言われます。ヒートショックを防ぐには室内全てを良好な温熱環境にすることが望ましく、放送の中で紹介された内付けサッシや断熱シート等を用いて窓面より逃げる熱を防ぐ工夫などは多少の効果があるものの弥縫策にすぎず、建物全体の基本を変えない限り安心安全な室内空間は作ることができません。また一部分の部屋のみを断熱することによる弊害も忘れてはなりません。一区画のみの断熱は部屋間温度差が極端に大きくなり、むしろヒートショックを助長することとなり、これに加えて壁体結露などが発生する恐れなども出てきます。寒い家から逃れるためには高断熱住宅の基本でもある断熱、気密、換気等を一体ととらえ、建物全体を改修することが必要です。