Q1.0住宅

Q1.0住宅とは?

弊社が所属する新住協(新木造住宅技術研究協議会)は10年ほど前から次世代基準の住宅の2/3~1/2のエネルギーで済む住宅を作ればエネルギー量を増やさず快適な生活を送れる住宅を作ることをめざした活動を始めました。東北地方においては次世代基準の1/3まで削減することをめざし、こうした住宅にするには熱損失係数が1.0代が必要条件となることから,これらの住宅を総称してQ1.0住宅(キューワン)と呼ぶこととしました。

暖房エネルギーを1/3にするには断熱材の厚さは3倍必要?

暖房エネルギーは住宅全体の熱損失(熱損失係数×温度差)から内部取得熱(内部発生熱+太陽熱)を引いた値を一年間集計したものです。よって暖房エネルギーを1/3にするには内部取得熱を引いた残りが1/3になればよいのです。仮に住宅の熱損失を100とすれば次世代基準では内部取得熱を20位とした場合、残り80が暖房エネルギーとなります。80の1/3即ち27が暖房エネルギーになる住宅は内部取得熱20+暖房エネルギー27=47ですから熱損失100を47に減らせばよいこと、つまり53%減らせばよいことが分かります。しかしながら一気に53%削減することは容易なことではありません。次世代基準よりおよそ半分に減らすわけですので建物周囲の断熱材のみで解決するものでもないのです。ちなみに建物の熱の出入りが最も大きな部分は開口部、つまり窓が最も大きなポイントとなります。それらの部分は予め設計段階で上手に行うことによって大きな効果が期待できます。また窓は熱が逃げる反面、太陽熱を取得する重要な部分ですので太陽熱を増やすことは断熱材を厚くする同等の効果を期待できます。よって設計の段階で断熱材とともに確かなシュミレーションを行うことが重要となります。

基礎断熱の利点

従来の方法であれば根太の間に断熱材を充填する床断熱が一般的ですが、1階の床部分で断熱するのではなく、基礎の外側や内側で、土の部分まで断熱することにより住宅下部を断熱するのが基礎断熱です。基礎断熱は床下空間を乾燥状態に保つため木材が腐ることはありません。また、シロアリが侵入することがないため土台や床下地材に防腐処理する必要がなく、室内の環境を良好に保つことが可能です。基礎断熱は熱容量の大きなコンクリートが蓄熱層の機能を果たすため、室内の温熱環境を均一に保ってくれます。コンクリートは室内の熱で一度安定した状態を維持すれば、夏は涼しく、冬は暖かいまま所謂、蓄熱層放熱機能の役目も果たします。また床下の温度は氷点下にはならないため、水道配管を通しても凍りつく心配はありません。万が一の場合でも床下に配線、配管を敷設すればメンテナンスは極めて容易となります

グラスウール二重貼りの効果

壁は従来の100㎜16k/㎥のグラスウールを充填し、更に外壁にも同様に100㎜16k/㎥の高性能グラスウールを重ねて施工します。グラスウールなどの無機質繊維系断熱材は、殆ど劣化することはありません。また燃焼することもありませんので、石油系断熱材に囲まれて暮らす不安はありません。グラスウールは再利用も可能です。一般に使用されている外断熱の断熱材はすべてが可燃性であり、解体時に発生する大量の温暖化ガスを考慮すれば地球温暖化防止に寄与するものではないことは明らかです

熱交換換気の重要性

Q1.0を含む高断熱住宅は気密性が高くなっており、室内で発生する水蒸気や二酸化炭素、建材からの有害物質などを換気により強制的に排出して新鮮な空気を取り入れる必要があります。換気の目安として使われるのが換気回数で、換気回数1というのは1時間当たり室内の空気が1回入れ替わることを言います。衛生上必要な換気回数は0.5回が推奨され、今ではこれを確保できる換気扇の設置が義務付けられています。普通に換気をすれば、暖冷房した空気はそのまま逃げてしまい、エネルギーのロスが大きくなってしまいます。この熱を回収して省エネ効果を高めたものが熱交換型第1種換気です。高断熱住宅では換気不足を防ぎながら熱効率を高めるため第1種換気システムを採用し24時間換気を行います。(図はドイツスチーベル社製全熱交換型換気扇)

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ドイツスチーベル社製全熱交換型第1種換気扇

 

開口部分の計画

ペアガラスが高断熱住宅に使われたのは約30年前のこと、今ではガラスの性能が大きく変わり隙間風を感じることもなくなりました。Q1.0住宅では、窓から入る太陽熱を極めて重要であると捉えています。ガラスを通して逃げる熱は熱貫流率(U値)で表わすことができますが、ガラスを多重化しLow-Eガラスを使い、空気層を厚くすると熱が流れにくくなりU値が小さくなります。またガラスの空気層にアルゴンガスやクリプトンガスを封入すればさらにU値はさらに小さくなります。一方ガラスを通して入ってくる太陽熱(日射侵入率η)はガラス1枚当たり10%減るとも言われていますが、熱取得、熱損失の全体の熱収支でみるとLow-E三層ガラスなど優れた窓材もあるのです。よって設計段階で建物の方位を含めた窓の位置をシュミレーションしながらガラスの材質、窓の大きさ等を検討する必要があります。

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ハニカムサーモブラインドによる遮蔽

 

住宅の熱収支

●熱損失係数 Qall(W/K)=Q天井+Q窓+Q床+Q開口部+Q換気
●室内取得熱 E(W)=E室内+E太陽
●熱損失 Qall(Ti+To)

太陽エネルギー H暖房(W)=Qall×(Ti+To)-E

この図式から暖房エネルギーを削減するいくつかの方法が導き出されます。

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