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なぜグラスウールを使用するのか?

2013/02/15

 高気密、高断熱住宅の発祥地は北欧ですが、それらが改良され日本で初めて建てられたのは室蘭工業大学の鎌田教授による北海道の住宅です。昭和50年代に使用された住宅の断熱材の多くは、密度の低い袋入りのグラスウールが一般的であり、現在広範囲に使用されている石油を原料にした発泡系プラスチックの断熱材やウレタン系の断熱材を使用するという発想は皆無でした。近年高断熱住宅が普及し、それに伴い最も適当な断熱材は何かと検討した場合、それにはまず最初に高断熱住宅を建てる目的を再度検証する必要があります。建物の暖冷房に多くのエネルギーを使用すれば、地球温暖化の原因となるCO2が発生することはご存じのとおり…同様に発砲プラスチック系の断熱材を製造するには代替フロンを用いることから製造過程において大量のCO2が発生し(最近では製造方法も変わっているようですが…)例え家庭で省エネ化を図ったとしてもそこには大きな矛盾が生じることとなります。石油を原料にした断熱材は製造過程はもとより解体焼却時にも大量のCO2が発生し、省エネどころか結果的には温暖化を促進させてしまう危惧があることに多くの人は気付かないようです。ハウスメーカーに言われるがまま、地球に優しいはずだったマイホームが、実際のところ省CO2に逆行する可燃物の断熱材で覆い尽くされているとしたらどう感じますか?グラスウールの約8割はリサイクル品が原料であり不燃材ですので火災時であっても燃えません。環境先進国のドイツをはじめ北欧の国々の住宅に石油を原料とした外断熱などという工法を一切採用していない大きな理由は、国民ひとり一人が地球温暖化を憂い、これをいかに防ぐかという高邁な認識を共有していることにほかなりません。