業者選択失敗の実例
2024/09/11
今から10年前ぐらいの話…郡山のAさんから’高断熱住宅を建てたが少しも暖かくならないので一度見てほしい’と新住協本部に相談が寄せられ弊社も会員の立場から検証に同行することになりました。Aさん宅は大きな吹き抜けがあり一目でお金がかかっていることが分かる立派な外観です。内部を案内され図面を確認し、暖まらない原因はどこにあるのかを検証した結果、建物に見合うだけの断熱材の厚さが確保できていないことが確認されました。AさんはC値が高ければ暖かいと思い込み自らシーリングを行い徹底的に隙間を埋めるなど断熱工事よりむしろ気密工事が暖かさの基本と誤解されていたようにも見受けられました。もし某ハウスが高断熱工法の基本を熟知してれば、それらの誤解を解くことや断熱の重要性なども容易に説明することができたはずですが、あのような建物を作ったこと自体、高断熱住宅に対する知識は付け焼刃程度ではなかったかと推測されます。また事前に熱計算を施行していれば充填断熱だけでは不足することが明らかであり、付加断熱の必要性や窓の性能などを含め適切なアドバイスができたのかもしれません。Aさんからクレームを受けた某ハウスは罪滅ぼしとしてエアコンを何台か無償で提供したとのことですが、’5台のエアコンをフル稼働させても暖かくはならない’と不信感を募らせていたのが印象的でした。Aさんにとって某ハウスは有名メーカーのフランチャイズであり、県内でも名が知れていることを信じ大金をはたいて契約したにもかかわらず、その期待は裏切られてしまいました。このような失敗例を回避するためにはネームバリューだけでなく高断熱住宅の実績を重ねた工務店を見つけることが近道です。もし迷ったときには新住協などに問い合わせ地域で実績を有する工務店を紹介してもらうのも選択肢の一つです。