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猛暑に対応するには、ひと工夫が必要です

2024/09/05

吹き抜け上部の通風窓は熱だまりを逃がし温度差による換気を促します。

今では余り聞かなくなりましたが高断熱住宅は夏暑くて住みにくいという,まことしやかな話が流れ、事情の知らない多くの方がそれらの噂話を信じ切っていた時期がありました。その理由は高断熱住宅は締め切った状態であるため窓から入る太陽熱や室内の発生熱によって室温が上昇し暑くなるとの誤解が根底にあったと思われます。

夏に対応した設計手法を取り入れる

夏は太陽高度が高くなるため南面よりもむしろ朝晩を意識した東西の窓の配置や、ガラスの種類形状を考慮して室内に入る日射量をコントロールすることが重要です。例えば、今までは部屋から望める景観を優先させるため作られた東西面の大きな窓に代えて幅の狭い縦辷り窓などを設置することなども遮蔽方法のひとつであり、また南北面の通風を確保するために建物の計画段階で風が通り抜けるように窓の配置などを平面プラン上で考えておく必要が生じます。

朝の涼しいうちに窓を開放する

高断熱の建物は熱の移動が極めて小さく保温性に優れているため夏の日中に熱い空気を取り入れてしまうと壁や天井に熱がこもりエアコンをフルに運転しないとなかなか冷えてはくれません。そのため早朝に(8時ごろまで)窓を開け外気を取り入れたのち閉め切ればエアコンをフルに稼働させなくとも涼しい状態を保つことができるのです。

熱帯夜に対応するには

高断熱住宅は寝苦しい熱帯夜であっても涼しく過ごすことができます。外気温は午前零時を過ぎるころには徐々に下がってくるため午前1時頃を目安にエアコンの運転を停止してから窓を開放すれば、それ以降は寝苦しさを感じることはありません。また、弊社が採用している基礎断熱は、強制換気によって外気を一度床下を経由してから室内に取り入れます。床下はコンクリートによって室内よりも涼しい環境にあり、熱い外気は一度冷やされ室内に戻ってくるシステムをうまく利用することが重要です。また屋根の形状による小屋裏の空気だまりは、2階の室温を上昇させる原因ともなるので、小屋裏にダクト用換気扇を設置し、夕方から強制的に排出すれば2階の室温低下にもつながります。

エアコンは弱運転を継続することがメリット

熱い空気を一度室内に取り入れてしまうと冷却するためにエアコンをフル運転する必要がありますが、これでは省エネとは言えず、むしろ弱運転を継続する方が電気代は安くなります。現在のエアコンは性能も良くなり以前に比べると圧倒的に省エネ性がアップしてはいますが、なるべく運転時間を短縮できるように夜間と早朝の外気温をうまく利用することを心がけると快適性とともに省エネ性が向上します。高断熱住宅は一日中に締め切ってしまうより、涼しい時間帯をうまく利用することと日中の厳しい時間帯には窓を開放しない方法さえ守れれば極めて快適な建物です。