日射取得熱を考える(省エネ住宅の本質)
2025/12/22
部屋を暖めるためには①日射熱②生活発生熱③暖房機の三要素が必要ですが、中でも①と②の合計を内部取得熱と呼び、これらは全てタダで手に入る熱源です。建物は、断熱性能が良いほど室内から逃げる熱は小さくなるため暖房エネルギーも小さくて済みますが、いくら性能が良くても内部取得熱が小さければ、③の暖房エネルギーだけが大きくなり省エネとはなりません。では、内部取得熱を大きくするにはどうすればよいのでしょうか?内部取得熱は照明器具や冷蔵庫から発生する機械熱と人から発生する顕熱などがありますが、これらはほぼ一定であり余り増減することはありません。しかし①の日射だけは窓の大きさやガラスの種類、方向、設置位置によって大きく異なってきます。さて、ここで省エネ住宅の本質を理解するうえで最も重要な自然温度差とは何かをもう一度おさらいしましょう。自然温度差とは①と②の合計(内部取得熱)÷総熱損失係数(Q値)で導き出すことができます。この式の中では①の日射取得熱が特に重要であり、日射取得熱が多いほど自然温度差は大きくなります。ちなみに弊社のQ1.0住宅における自然温度差はおよそ10℃前後であり、冬場の快適室温を21~22℃程度とすれば③の暖房によって10~11℃だけ上昇させるエネルギーが必要となります。これから分かることは、どんなに断熱性能を上げようとも無窓に近い建物は①の値が小さいため③のみが増大してしまいます。このような理屈から、日射取得熱の有効活用は省エネ住宅にはなくてならない重要な要素であること、そして省エネ住宅を作るためには性能は勿論のこと、さらに内部取得熱をどのように高めればよいかなどの省エネ住宅全般の本質を理解した知識が必要です。




