坪単価について
2024/10/10
坪単価だけで判断しないこと
坪単価は建築工事費総額を床面積(坪)で除した数値です。建物を建てる際、業者選定の指標の一つとして膾炙されていますが、これのみをもって業者を選定することは出来るだけ避けることが賢明です。同じ坪単価でも業者によっては設備機器(照明やエアコン等)や経費(確認申請料等)などを含めず別途扱いとする契約もあるため、坪単価だけで建物の善し悪しを判断することは大きなリスクを背負うことにも繋がります。
仮契約の危険性
営業担当者は自らの成績にも直結するため出来る限り建物の坪単価が安いことをアピールして仮契約を急かせます。仮契約には損害金が発生することを織り込んでいるため、もし何らかの理由で依頼者が仮契約を破棄すれば、予め預けた手付金を放棄することにも繋がります。仮契約の本質は坪単価を安く見せて依頼者を自らの土俵に乗せさえすれば、仮に後出しジャンケンのごとく追加工事を提示しても契約金を放棄したくない依頼者は諦めて追認するとの心情を逆手にとったものとも言えます。仮契約を急かされた場合には全てが含まれているか、追加はないか、希望した仕様に合致しているかなど十分に説明を受けたのち納得してからサインをすることが重要です。
坪単価は道しるべ
「坪単価が安いと思って依頼したがとんでもない金額がかかってしまった」などの話はよく耳にしますが、安い建物はそれなりの仕様でしかないために自らの希望したものと大きな乖離を生ずることにもなってしまいます。新築する際は自分はどのような建物が欲しいのかをイメージすることが重要であり良いイメージを持つことは良い家を建てることにも繋がります。大手のハウスメーカーは洗練された仕様が明確であり、自らのイメージを決めることができない方には適していますが坪単価は高額となり、自らの要望などは余り期待できません。良い建物を作るには話を聞いてくれる地場工務店がもっとも相応しく、画一的な仕様を売りにするハウスメーカーとは大きく異なります。坪単価が高いとか安いとかは、あくまでも結果であり、建てた人の満足度によって、その捉え方も大きく変わってくるのです。