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換気を考慮しない建物は省エネとはならない

2025/06/26

換気扇

第1種熱交換換気システム

省エネ基準UA値は建物の断熱性能を表す指標の一つですが、これが優れていても必ずしも省エネ住宅とは言えません。建物の省エネ化を進めるうえで最も大切なことは開口及び外皮の強化と換気によるエネルギーのロスを減らすことです。換気計画において一般的に推奨される換気回数は0.5回とされていますが、これは室内の空気が2時間で全て入れ替わることを意味します。例えば冬期において暖房で暖められた室内の空気がそのまま排出されれば相当の熱が失われます。室内の熱は①窓②壁、天井③換気の順で失われます。失った1㎥の空気を1℃上げるときに必要なエネルギーは0.35Wですので仮に120平㎡(35坪前後)であれば1時間に150㎥の空気が入れ替わり、外気が0℃だとすれば1.050KWh相当の熱が失われることになります。夏はこれとは逆に外気35℃の空気を26~27まで冷やさねばならないことになるためエアコンをフル稼働しなければなりませんので多くの電力を消費することにも繋がります。そのような無駄を軽減するためにも熱交換換気が必要とされているのです。Q値と同様に断熱性を表すUA値は年間暖房エネルギー消費量計算式の中は反映されませんのでUA値がどれほど良くても確かな省エネ住宅にならない理由がここにあります。本物の省エネ住宅を目指すならUA値だけでなくQ値に注目することが必要です。