トップクラスの高断熱住宅
2024/10/19
Ua値だけで判断してはならない
トップクラスの高断熱住宅とは何を基準に判断しますか?…今では建物が暖かいとされる基準はUa値(外皮平均熱貫流率)をもって判断されていますがこれが正しいとは限りません。例えばUa値が良い建物であっても過大な暖房機器によってエネルギーを消費し続ければCO2はより多く排出されます。これでは高断熱住宅の目的でもある省エネ、省資源、CO2削減の実現及び経済性の向上に結び付きません。断熱性能Ua値はその性能上げれば少なからず経済性にも直結しますが、この値が良いだけで省エネが向上することにはなりません。
高断熱住宅の必要条件
高断熱住宅においては断熱性能のほか消費エネルギーが分かれば、更に省エネを追求することも可能となり同じ断熱性能の建物であっても換気方法、換気扇の種類や機器、日射取得熱の有無によって冬場の暖房エネルギー消費量は大きく変わってきます。高断熱住宅には断熱、気密、計画換気の3点が必要不可欠であり、特に省エネ性を判断するには熱損失の大きな換気を含めた熱損失計算を行い、Q値(熱損失率)を1.0程度に抑えた建物を作る必要があります。
第一種熱交換換気扇を使う
ただし、換気扇は設置すればいい話ではなく仮に第二種、第三種換気を使用すれば室内で暖められた空気は排出され続け、これを補うためエアコンやヒーターを連続的に運転しなければならなくなります。これこそが資源の無駄遣いであり、いくらUa値が良くても省エネには程遠い建物になってしまいます。このように換気の基本は排気もさることながら熱を出来るだけ多く回収することが必須であり、建物の容積に従って換気回数を決定したのち熱回収に優れた機種を選定することが重要です。
トップクラスは省エネ基準の30%以下
トップクラスの建物とは暖房エネルギーの消費量が国の省エネ基準に対してどのような割合で削減されるかをベースに考えることが基本です。例えば当該地域であれば、省エネ基準比較暖房エネルギー(20℃暖房時)において30%以下の性能を持った建物です。このレベルの建物は単に暖かいだけではなくエネルギー消費が極めて少なく快適性と経済性を兼ね備え高断熱住宅と呼ばれる中でもトップクラスに位置します。巷には高断熱と呼ばれる建物があふれ、その性能は様々であり中には高額なお金をかけても全く暖かくなかったと言われる建物も数多く存在します。トップクラスの建物を作るには高断熱の基本を知ることが重要でありUa値だけで判断してはなりません。