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高断熱でも暖かくならない建物の実例(失敗しないための家づくり)

2025/02/12

この建物はエアコン1台で快適な空間を実現しました(令和7年2月引渡し)

今から10年前ぐらいの話になりますが、郡山のAさんと名乗る方から’高断熱住宅を建てたが少しも暖かくならないので一度見てほしい’と新住協本部に相談が寄せられ、弊社も地元会員の立場から検証に同行することになりました。Aさん宅は大きな吹き抜けがあり一目でお金がかかっていることが分かる立派な建物です。室内を案内され図面を確認し、暖まらない原因はどこにあるのかを検証した結果、建物に見合うだけの断熱材の厚さが確保できていないことが確認されました。AさんはC値(気密度)が高ければ暖かいと思い込み自らシーリング等を行い、徹底的に隙間を埋めるなど断熱工事よりむしろ気密工事が暖かさの基本と誤解されていたようにも見受けられました。気密も重要ですが高断熱住宅の性能は外皮断熱材の厚さが基本中の基本です。もし施工者の某ハウスが高断熱工法の基本を熟知してれば、それら(気密度)の要点も含めて説明したうえで断熱材の重要性などは容易に説明することができたはずです。しかしあのような性能の低い建物を作った理由は、某ハウスのフランチャイズ本社でもある関東地域にのみに通用する断熱仕様をAさん宅にそのまま適用したとも推察されます。もし設計の段階で熱計算を施行していれば充填断熱だけでは不足することが明らかであり付加断熱の必要性や窓の性能を高めるなどを含め適切な話し合いができたのかもしれません。Aさんからクレームを受けた某ハウスは罪滅ぼしとしてエアコンを何台か無償で提供したとのことですが、’5台のエアコンをフル稼働させても暖かくはならない’と不信感を募らせていたのが印象的でした。Aさんにとって某ハウスは有名メーカーのフランチャイズでもあり、県内でも名が知れていることを信じ大金をはたいて契約したにもかかわらず、その期待は裏切られてしまいました。このような失敗例を回避するためにはネームバリューだけでなく高断熱住宅の実績を重ねた工務店を見つけることが近道でもあり迷ったときには新住協などに問い合わせ地域で実績を重ねた新住協加盟の工務店を紹介してもらうなども選択肢の一つです。