ここまで進んだ木の腐朽、劣化、シロアリ対策について
2012/08/02
JBN国産木材委員会セミナーの様子です。講師はこの分野の権威でもある京都大学大学院の吉村先生です。木材は数種の腐朽菌によって劣化し、知らず知らずのうちに傷んだ家屋が地震によって被害が拡大する危険性や、樹種によって耐久力に差があるため予めこれらの長短所を把握することが重要とのことでした。また、シロアリによる被害も年々増加し、特に乾材シロアリの危険性が増加していることを認識すべきであるとのことです。当地域でシロアリといえばヤマトシロアリが圧倒的です。このシロアリは乾燥に弱く水分がなければ生きていくことができません。しかしながら乾材シロアリは乾燥に強く、一般的に建物下部の被害に対し上部の梁や桁にまで被害がおよびプラスチック系の断熱材までも被害を及ぼす厄介な害虫であり家丸ごと燻蒸しなければ駆逐するのは難しそうです。乾材シロアリは外来種であり輸入された材木や家具などに潜み、たった20匹でコロニーが復元されることが今までの害虫になかった大きな特徴です。これからは今までのシロアリに対する認識を変えることが必要だと説明されました.一般的なシロアリ対策は物理的工法による侵入防止策、つまりステンレス金網によるバリアの設置、特に床下環境を制御することが重要です。弊社施工の基礎断熱は床下を常時乾燥状態に保つためシロアリが営巣するには不適な環境ともいえるようです。