在来工法はなぜ寒いのか(断熱改修を考える)
2024/02/01
気温が低い日にネクタイを締めると暖かく逆に緩めると首元からシャツや下着の中で暖められた空気が逃げてとてつもなく寒いと誰でも一度は経験したはず…実は在来工法の建物でもこれと同じ現象が起きています。在来工法による仕切りの壁には殆ど断熱材は充填されてはいません。そのうえ土台部分と天井部分はガラあきで外気と直結し冷たい空気が四六時中出入りしています。室内を温めると石膏ボードの壁から伝わった熱は仕切り壁の内部の空気を温めることから空気は上方へ移動し、逆に床下の冷たい空気が壁の内部に引き込まれます。この一連の流れを壁内気流と呼び、冷たい壁内気流は結露を引き起こす原因となります。在来工法の建物をある程度暖かくするには壁の上下のガラ空き部分に気流止めを充填すれば、ある程度の改善は望めますが、しかしながら本来の充填断熱に対してその性能を超えることはありません。気流止め及び断熱改修する千載一遇のチャンスは、経年劣化によって外壁などを張り替える計画があればが最も合理的であり、これとあわせて基礎断熱と充填断熱、耐震補強などを同時に行えば、在来工法の住宅であっても高断熱住宅へと変貌し、その結果、寒くて我慢を強いられた室内空間はネクタイをしっかり締めた時の首周りの感覚と同様、暖かく生まれ変わります。建て替えするほど余裕のない方、或いは解体するには勿体ないと考えている方にはリーズナブルでお勧めの改修工法です。