2020年から新築住宅エネ消費ゼロ決定!
2012/11/27
今朝の日経新聞の記事にて国のグリーン政策大綱の概要が明らかになりました。これによると2020年までにすべての新築住宅においてエネルギー消費を実質ゼロとする所謂[ネットゼロ]が今年中に閣議決定されます。以前にも指摘しましたが、背景には京都議定書の中で日本が世界に約束した’2020年までにCO2を90年比25%削減を実行する’ことにほかなりません。また原発事故の運転停止によるエネルギー不足も危惧されることもあり、早期に省エネ住宅の推進を周知させる目的もあるようです。弊社が現在施工中のゼロエネルギー住宅は、一次エネルギーの基準達成率が110%を超え、ランニングコストはゼロあるいはプラスとなります。また、近年施工の長期優良住宅のQ値は全て1点台であり、これに3~4kwの太陽光パネルを載せるだけでエネルギー収支は、ほぼゼロとなります。つまり断熱性が高く熱損失の小さな建物であればネットゼロはさほど難しいものではないのです。しかし熱損失の曖昧な旧来型の建物に大きな容量の太陽光パネルを設置してもザルで水を掬うことにもなりかねず、その費用対効果は期待できるものとは言えません。国の方針が明確となった今、旧来型の建物は近々に終焉を迎えることになり、熱損失の小さな建物を施工できない業者が淘汰される時代に突入したといっても過言ではないようです。余談ですが高断熱、高気密住宅は25年前、室蘭工業大学の鎌田教授によって提唱され、弊社が所属する新住協が地域工務店のネットワークとともに、その技術を高めてきた実績を有しますが、在野のハウスメーカーは[高断熱、高気密住宅]という言葉のみを騙り、何の根拠もなくユーザーにそのイメージのみを刷り込んだ結果、全く暖かくない高断熱住宅が市中に出回ってしまった不幸な現実も指摘されているのです。これからは数値化された建物のみでなければ建てられませんので業者に対しての品定めは容易となるはずです。これを例えればハイブリット車が補助金付きで席巻する時代を目前にしているにも拘わらず、燃費の悪い旧来型の車を買うかどうかの決断を迫られる時期でもあるのです。