寒い建物による健康被害
2021/11/01
自宅の浴室やトイレなどで亡くなる所謂不慮の事故死者は交通事故死者の3倍であることをご存知ですか。特に死亡原因でもある循環器疾患は、温度差による急激な血圧の上昇が誘引となって発症し、致命的な事故につながっているとも指摘されています。発症要因の血圧は、年齢に比例し、高ければ高いほど寒さによって上昇するとされ、特に起床時の室内温度は最高血圧に重大な影響を及ぼします。医師などで構成する住医学研究会の提言では、暖かく温度差がなく、適当な湿度が保たれ、化学物質を使用しない建材を用いた住環境に住めば、病気になる確率を確実に減らすことができるとされていますが、いまだに高断熱住宅は健康に悪いとか、或いは日本の住宅は元来風通しを良くしたものであり、そのため寒いのは当たり前などと堂々と妄言を連ねる業者や消費者が多いことには甚だ残念としか言いようがありません。ちなみに英国の保健省によれば冬季の推奨室温は21℃とし、19℃以下になると徐々に健康リスクが現れ、16度以下になると呼吸器疾患、心疾患など深刻なリスクが現れる温度ともいわれます。更に10℃以下になると低体温の危険性が増し、18℃以下にならないと過度に寒さを感じない高齢者にとっては特に注意が必要です。また冬期における気温の低下は、入浴中の死亡事故を助長し、日本では年間17.000名程度の人が亡くなっているとも言われます。原因の一つとして寒い家に住む人ほど入浴温度を高める傾向があるとも言われ、このような生活習慣が更なる死亡リスクの増加に繫がる可能性も指摘されています。弊社は室温低下によって想定されるこれらの健康被害を極力防ぐために近年では床下エアコンを設置し床面からの輻射熱を利用して家全体を温め、かつ省エネに配慮した家づくりを提案しております。