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ガラス張りの建物の住み心地

2017/06/09

最近では見られなくなりましたが、商業施設の壁面部分に総ガラス張りの建物が流行していた時期があります。ご多分に漏れず、弊社の応接スペースもそのような流行をいち早くとり入れていましたが、その使い心地の悪さから数年前に全てのガラスを撤去しました。この部分の夏の暑さは半端ではなく、また冬にはコールドドラフトが発生するなど使い勝手は最悪でした。省エネ住宅において負のイメージしかないガラスは、近代建築の旗頭としてなくてはならないものですが、使用方法を誤ると居心地の悪い空間を作ってしまいます。ちなみに4月に無事引き渡された須賀川市役所は、仄聞によれば、暖冷房のコストだけで年間4.000万円ほどかかるそうです。なぜならこの建物の壁面の殆どはガラス張り、特に夏期の日射取得熱が南面より1.2倍も大きな東西面は、省エネを考慮するうえで大きなガラス面を避けることが基本ですが,この建物は東西部分にFIX窓を設置しているため室内はオーバーヒートすることが予想されます。おそらく省エネなどの概念などは微塵も考えることなく、ただ外観ありきで設計されたのでしょう…いくら冷暖房費がかかろうともクレームがつくことは有りませんが、その原資は全て市民の税金でもあるのです。復興のランドマークとしての思いがあるのも理解できますが、何より省エネ住宅を推進する身としては、もう少し省エネを先取りした建物であったならと残念に思えてなりません。