最低室温の基準が提言される
2015/06/16
一般社団法人健康、省エネ住宅を推進する国民会議は日本の住環境の改善を図るとして二つの政策提言をまとめました。
①住宅内での目指すべき室温基準の設定
最近の研究で、住宅における冬期の低室温が,居住者の健康を阻害していること明らかになっています。特に高齢者への影響が大きく,高齢化が急速に進む日本において、医療費負担の増大に直結する社会問題と捉えるようになってきました。日本の住宅は先進国と比べ、冬期の住環境は水準が低いとして超党派の議員連盟に関連法や施策の実現を提言しました。
②住宅の省エネルギー基準における断熱性能基準の義務と世界一と言える誘導断熱性能の水準の設定
省エネ基準の適合義務化は、断熱性能(外皮性能)の基準そのものの義務化の必要はないという意見もあります。これに対して国民会議は健康面から断熱性能基準の義務化を求めるとともに、2020年以降についても2050年まで10年ごとの暫定長期目標をロードマップとして明示するよう求めています。
膨らみ続ける医療費の削減を目指す
国民の医療費は膨らみ続け,今では年金と合わせたその額は13~14兆円ともいわれ、国家予算の15%にも届く勢いです。ますます少子高齢化が進めば、大きなツケは次世代に先送りされ、国の借金は際限なく増え続けることは明らかです。弊社ホームページの温度のバリアフリーと健康住宅の中にも掲載していますが、ヒートショックで亡くなる人は今では交通事故死を凌ぐ勢いであり、さらにヒートショックによる循環器障害は、後々の介護と長期にわたる入通院が必要となるなど医療費増加の大きな一因にもなっているます。
最低室温が確保されればヒートショックは防止できる
ヒートショックは、部屋間の過大な温度差によって引き起こされ、特に心筋梗塞や脳梗塞などの身体の中枢にかかわる部分に大きな変調をもたらします。死亡事故もさることながら、寝たきりとなった場合には、家族が負担する医療費や、人的介護等の精神的ストレスは決して小さなものではありません。ヒートショックを予防する方法は決して難しいものではなく、これから建てようと計画している住宅の高断熱化を図り、温度ムラの無い住宅を造るだけで、自らも高齢者となる将来のリスクに備えることができるのです。(詳しくはTOPページの温度のバリアフリーと健康住宅の欄を参照)