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ZEHを促進させるには

2019/09/06

高断熱化が図られる風流館

 昨日の地元夕刊紙に須賀川土木事務所のゼロエネルギー化に関する記事が掲載されていました。記事を読みつつ、やっと行政も重い腰を上げたのかなと感慨深く眺めていた次第です。ZEHは、国が主導し最もCO2の排出量の削減が進まない住宅を含む民生部門の省エネ化を促進しようとする政策ですが、皮肉にも今までは民間建築が先行し、言いだしっぺでもある国や県などが作る公共建築物は全くと言っていいほど省エネには縁遠い建物ばかりでした。これらの原因の一つに考えられるのが設計を担当する設計事務所における省エネ政策への関心の薄さ…設計事務所の設計した建物はデザイン性に優れ、大きなガラス面を用いた窓、更に大きな吹き抜けなど室内空間を大胆に攻める手法は時には注目の的となり新鮮さを感じさせます。しかし、大きな窓や空間を設計するに当たっては温熱環境等を理解しながら設計するのがZEHの基本と言うべきものですが、残念ながらこれらを理解している設計事務所は全国でも少数派、弊社が所属している新住協筆頭理事でもある鎌田先生もZEHが進まない問題の核心は、設計事務所の省エネに対する冷淡さであることを指摘しています。ちなみに記事掲載の土木事務所の一次エネルギーの削減率は90%のこと、ZEH基準の100%をこえないものは厳密にはZEH(B)とは呼べないものの、これからの公共建築に対して一石を投じるためにも大いに期待したいものです。