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諸行無常

2012/08/27

0031‘諸行無常‘…一切の万物は刹那の中に存在しうるものであるという仏教語です。この言葉は同時に人生の儚さを意味します・弊社取引サッシ会社の営業マンK君は一昨日の夜、わずか50年の人生に幕を引き彼岸に旅立ちました。あれは2年前の夏ごろだったと思います。体調に変化をきたしたK君は地元の病院で診察を受けたところ、単なる胃腸炎と診断されました。しかし腹水の自覚症状を認めることから只事ではないことを察し、東京のT大医科学研究所付属病院に転院して検査を行った結果、末期の大腸ガンであることが判明しました。その後は先進的な治療を受け、あらゆる抗ガン剤によって体調は劇的に回復し、今年の正月には海外旅行にも出かけられるようにもなりました。しかしガンは徐々に全身を蝕み、とうとう発病から2年余りで働き盛りの人生に終止符をうつことになってしまったのです。昨年東京に出かけた際に見舞った時にはすでに死の覚悟はすでにできていると言い、つとめて明るく振舞っていたことが印象的でした。人は自らの死を悟ったとき平穏な気持ちでいることなどできるはずがありません。そこには大きな葛藤があり、死の恐怖から逃れようとどんなに煩悶したことであろうと察するに余りあります。名高い高僧であってもこの世に未練を感ぜずにはいられないものであり煩悩を断ち切ることは悟りを開き解脱した者にしか理解できないとも言われます。‘明日ありと思う心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは‘…膾炙された名僧親鸞の詩ですが‘日々是好日‘とともに自らに残された人生の生き方を暗示している言葉です。K君の死は何気ない日々の大切さ愛おしさを改めて考え直す機会を与えてくれたのかもしれません。合掌