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塩分制限だけで高血圧のリスクは除けない

2021/12/04

 市町村などの広報による高齢者の健康に関するコメント欄には「塩分を控えめに適度な運動を、そして毎年定期健診を受けるように」など、こと細かな情報を発信しているにもかかわらず、最も重要な室内温熱環境については殆どコメントされることがない不思議さ…冬場11月~3月の入浴中によるヒートショック等での高齢者の死亡者数は交通事故による死者数を上回っている現実は余り知られてはいないようです。断熱性能が低い住宅は夜間に室温が急激に低下し、例えば昭和55年基準の断熱性能では、およそ15℃も低下すると言われます。特に起床時における血圧の変化は、室温10℃の場合、約11mmHg以上高くなるとされることからWHOは18℃未満における血圧上昇は循環器障害のリスクを高めることから室温を18℃以上に保つことを勧告しています。血圧の急変での死亡や重篤な障害を防ぐには、塩分制限もさることながら、まずは室温の低下を改善することが優先事項です。塩分は多少摂取したからといって直ちにフェータルな状態にはなりませんが、低断熱住宅は健康に大きな影響を及ぼすとともに時には命の危険に晒されることを軽視してはなりません。