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省エネであってエコではない話

2021/12/02

GWによる付加断熱

 断熱等級の等級追加が議論される中、HEAT20 G2G3に対する国の付加断熱の施工例によれば、グラスウール20㎏充填断熱にフェノールフォームや発泡押出しスチレンフォームなどを合わせた断熱層を形成することによりUA値を0.2程度まで引き上げることができるとされています。ウレタン、発泡押出しスチレンフォーム等のプラスチック系断熱材を外張り断熱に使用すれば畳の数にしておよそ150枚、厚さ5センチとして7.5mの高さにもなると推定され(大型トラック1台分相当)将来、解体して焼却場で処分した場合には相当量の温暖化ガス(煤を含んだ真っ黒な黒煙)が排出されることは誰にでも想像がつくことであり、裏を返せばツケは全て次世代へ先送り…(何だか今の国の借金みたいです)。また国は大地震による火災に強い強靭な国土づくりなども唱えてますが、今回の議論は将来に対する影響等はスッポリと抜け落ち目先の結果のみを求めるために終始しているようにも見えてしまいます。余談ですが世界で最も厳しい基準で家づくりを行っているドイツをはじめとする北欧諸国では、プラスチック系断熱材は殆ど使用されていません。(グラスウール、ロックウールなど不燃で再生可能な断熱材のみ)その理由は、次世代にツケを回すことがないよう国及び国民全体が環境に対して高い意識を共有しているからです。可燃物である発泡ウレタン工法の建物に住んで安心、安全ですか?(もともとは石油です)今は暖かく省エネであってもエコではない理由がそこにあります。