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木造校舎は’心のゆりかご’?

2014/01/27

今日の朝刊によれば、学校建築が全国的にRC造から木造に回帰していることが分かりました。我々の世代では学校は木造であることが当たり前の時代であったものが近年、耐震、耐火の点を重要視した政策のもと、そのほとんどが鉄筋コンクリート造(RC造)に姿を変えていきました。確かにRC造は耐震、耐火、防音などに優れてはいますがコンクリート独特の冷たさは否定しようもなく児童の情操教育の視点から見れば最善の構造とは言い難い建物です。記事の内容によれば木造校舎においては、欠席する児童や風邪に罹る児童の数が減少したことが報告されています。これは木材独特の表面温度の高さや調湿性による室内環境の変化に伴う現象によるものと推察されます。例えば木造であればRC造に比べて結露等の発生頻度が低くなりますし、これによってアレルギーを媒介するカビの発生が抑制されます。また木質の床材は転んだとしても大けがをするほど硬くはありません。国は2010年に公共建築物等における木材利用促進に関する法律を施行しましたが、この中で特に大きな課題になっていたのは3階建の校舎が木造で建てれるか否かの議論でした。これらを科学的に裏付けるため1棟2億円ほどかけて火災燃焼実験が繰り返し行われたのはテレビ報道でもご存知とは思います。木材は表面が炎によって一度炭化したものは中心まで火が回るのには相当の時間がかかることも実証され意外な一面があることも報告されています。近々建築基準法も改正され、木造3階建の学校が出現するのもそう遠いものではありません。子供たちにとって人間形成に最も大切な小学校時代においては無機質な建物より温かさかに満ちた建物の方が情操教育に役に立つのは言うまでもありません。今後は市町村のやる気だけにかかっているともいえるようです。