最近の建売に対する若年層の考察
2025/04/15
昭和の時代に建物を建てる場合には、ある程度の持ち金を用意し一つの家に2世帯が同居できるだけの余裕を持った間取りが好まれました。最近ではそのような建物を要望するクライアントはほとんどなく30坪前後のコンパクトな建物が多く建てられています。そのような中、最近の若年層の傾向として建売の人気が復活してきたとの噂を耳にします。建売と言えば、安かろう悪かろうの代名詞でもあり、特に売れ残れば最後はたたき売りとなり輪をかけて悪いイメージが付きまとっていたものです。しかしながら注文住宅と違い建売には実際の建物を自身の目で、しかもその場で判断できるメリットがあるため、その手っ取り早さが若年層に支持されているとも言われています。また他の理由としてローンの支払いも家賃+数万円の値ごろ感もあるのでしょう。しかしながら坪単価を比べれば注文住宅とさほど差はなく単価的なメリットはそれほど多くはないのですが、総額においては若年層であっても手が届く金額でもあるのも事実です。また面倒な打ち合わせや色決めなどに時間がとられないことも大きな理由の一つですが、その反面、耐震性や断熱性などの性能は全てが業者任せとなり期待することはできません。若年層に面倒と思われている打ち合わせは将来にわたり建物の質を保つためにも大切な作業です。全ての業者が同様ではありませんが、クライアントのチェックがない建売は全てにおいて緊張感に欠ける建物であり、業者側にすればどのような材料をどのように使用し、そしてどのような施工を行ったとしても売れさえすれば結果オーライなのです。面倒と思える打ち合わせは大切な建物を建てるためには欠かすことができない作業でもあり、その全てがクライアントのメリットに繋がることを理解することが重要です。