建物の熱損失の最も大きな部分は窓ガラスであることは、殆どの工務店であれば既に知り得た情報にも拘わらず未だ適切な対応ができていないのも事実です。現在施工中の建物の窓ガラスをＰ．Ｃで様々なケースに従い入力してみました。一般的には単板よりペア、ペアよりトリプルと性能が上がっていきますが、シュミレーションによれば、全てをトリプルにした場合、ペアを使用するより年間の暖房負荷が14％多くかかることが判明しました。この理由は、トリプルにした場合、特に南面からの日射取得熱が減少するために自然温度差が小さくなることが原因と考えられます。また北面の小さな窓にトリプルを採用してもそれほど差がないことも分かりました。つまり方位を見極めたうえで、適切なガラスを配置することが費用対効果を上げるためには最も有効であることがシュミレーションから読み取れます。ただやみくもにトリプルを採用したから暖かいはずだと思い違いをしていませんか？窓ガラスは適切に配置してこそ、その性能が最大に発揮されるのです。