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ZEH(ゼロエネ住宅)とキューワン住宅(Q1.0)は似て非なるもの

2016/06/28

国は、2020年までに注文住宅の半数以上をZEHにすることを目指し、そのためのロードマップを示しています。また、これらの事業を促進するために、期間によっては補助金なども交付し、ZEHの普及を後押しすべく様々な対策も講じています。その一環として今回制定されたにビルダー認定制度は、国が業者にお墨付きを与える制度ですが、認定された業者のすべてが、省エネ住宅の基本である躯体断熱の施工スキルを持ち合わせているかどうかは疑問です。ZEHは、建物の高断熱化と省エネ家電や太陽光発電を組み合わせ、使用エネルギーを実質ゼロにする建物ですが、この制度の問題点は、高断熱住宅の施工実績がなくても机上の計算式で導き出された数値だけで容易にパスしてしまうことにあります(どこかの自動車会社と同じですね…)。例えば、断熱等級4の性能評価を取得するには、指定の厚さの断熱材や窓ガラスの仕様をPCに入力しさえすればそれなりの性能が導き出されます。(断熱方法、気密性などは無視)仮に躯体の断熱性能が多少劣っていたとしても能力の大きい太陽光発電さえ設置すれば計算上エネルギー収支をゼロにすることも容易です。本来であればZEHは、新住協が提唱した高断熱、高気密住宅の基本であるキューワン住宅(Q値が1程度)等の技術が確立された建物をベースに省エネ、創エネ設備を組み合わせるべきものと考えますが、残念ながらこの制度には施工実績などの縛りは一切有りません。よってZEHと言いながらも高い設備費用をかけただけの従来の性能とさほどと変わらない、結露などを生じるZEHが出現することも排除できないのです。ZEHを作るに当たっては、そもそものこの建物の目的を理解することからスタートしなければなりません。ZEHは、より小さなエネルギーで、居住性の高い住まいを作るという高気密、高断熱住宅があってこそ成り立つものであるということを…。