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Q値に拘る理由とは

2017/08/01

 建物の断熱性能を表す数値にUA値とQ値がありますが、この違いが分かる人は断熱工事に関して相当スキルが高い人物です。弊社は、平成4年からQ値をよりどころに230棟余りの高気密、高断熱住宅を作り続けてきました。当時の高断熱住宅にはUA値(平均熱貫流率)は採用されてはおらず、専らQ値(熱損失率)のみが高断熱住宅の判断基準でした。                          今ではZEH基準としてUA値が採用されていますが、高断熱住宅であるかどうかを判断するにはどちらの数値を判断材料にすればよいのでしょうか?UA値はQ値とは異なり換気による熱損失が含まれないため値の大小は、年間エネルギー消費量に直結することは有りません。その根拠として、年間暖房用エネルギー消費量は(QS)=24×Q×D÷η÷1.000KWh/年(:Q総熱損失量:D暖房度日数:η暖房システム効率)で表すことができます。これらの式から省エネの判断基準である年間暖房エネルギーはQ値によってのみ表すことが可能となります。つまりUA値だけを高断熱、省エネ住宅の判断基準とするのは誤りであり、高断熱で省エネである建物を作るにはQ値を含めて適切な検討が必要です。