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設計事務所の生き残り

2017/08/18

 設計事務所の設計した建物は、デザイン性に優れ、時には注目の的となり、工務店の建てる一般的な住宅とは一味違うのが分かります。大きなガラス面を用いた窓、更に大きな吹き抜けなど室内空間を大胆に攻める手法は、時には新鮮さを感じさせます。しかし、大きな窓や空間を設計するに当たり、温熱環境を理解しながら設計している設計事務所は、ほんの僅か。例えば、全く理解していない手法の一例として基礎断熱と床断熱の併用を図面中に指示することがあります。この方法は、床下部分で冷気が滞留してしまい床下結露の大きなリスクになりますが、仮に設計者が高断熱工法を基本的に理解していれば、このような仕様を基に設計することはありません。                            設計事務所は、自らの仕事を獲得する手段として目立った建物を建てることに腐心する余り、温熱環境を基本とした住み手側の暮らしやすさを置き去りにした設計する傾向がありますが、今後は高断熱工法の基本を無視すれば、自身が生き残ることさえ容易ではなく、とりわけ2020年の国の方針は、工務店と共に設計事務所にも大きな課題を突き付けていることを認識することが必要です。