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断熱性能がいいのに燃費が悪いのは何故?

2021/11/19

 断熱性能を上げれば燃費は良くなるのか?答えはノーです。例えば、同じ間取りの建物を一般的な窓ありと全く窓なしに設定して熱計算を行うと、断熱性能の良い窓なしの間取りの方が圧倒的に燃費が良くない計算結果が出ます。これは省エネに深くかかわる日射取得量が、窓なしの間取りの場合には殆どゼロに近いため、このような結果となるのです。暖房の熱源は日射熱、生活発生熱、それに暖房機から成り立っています。断熱性能は上げれば上げるほど熱の損失は小さくなりますが、それでも暖房費はタダにはなりません。しかしながらコストのかからない日射熱を十分に得ることができれば電気、石油、ガス等による暖房エネルギーを減らすことは可能です。このように省エネ住宅を作るには断熱性能を上げるだけではなく窓の配置を含め日射熱の有効性を活用することが何よりも基本となります。同じ断熱性能でも冬の太平洋側の建物と日本海側の建物では暖房エネルギーに大きな差がある理由は省エネ住宅の基本でもある冬場の日射量に左右されていることに他なりません。