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似テ非ナルモノ

2022/01/06

弊社と同様に付加断熱と床下エアコンをセールスポイントにしているA社のホームページを検証してみた。外壁は柱間と付加部分にプラスチック系断熱材105㎜と30㎜を使用しUA値は0.2台と掲げている。なるほどUA値だけ見ればHEAT20G3クラスに匹敵する。使用されているプラスチック系の断熱材はグラスウールやロックウールに比べ熱貫流率が小さく断熱性能も優れる。しかし標榜のUA値は、あくまでも確実な施工のもとで導きだされるものであり、柱は乾燥収縮を起こすため確実に断熱材をカットし充填しても経年変化によって隙間ができる。特に塑性物でもあるプラスチック断熱材を切り継いで柱間に確実に充填することは難しく、一たびヒートビリッジ(熱橋)が起きれば、断熱効果は減衰し内部結露の原因ともなる。さらに床下エアコンを設置するうえで最も気になる基礎の断熱材は50㎜のスタイロフォームを両面に張り付けただけであり地中からの放熱を防ぐスカート断熱ではない。外壁に大量に使用されるプラスチック系の断熱材は国土の強靭化や温暖化ガスの削減を進める国の方針と異なり可燃物であることから災害時でのリスクもはらみ、将来、解体時での温暖化ガスの大量発生にもつながり決してエコとはいい難い。環境基準の厳しいドイツをはじめ北欧などではロックウールやグラスウールが主流であり、可燃物でもあるプラスチック断熱材は法律で厳しく制限されている。A社がどこまで高断熱住宅の基本を身に着けているかは別としてA社の高断熱住宅は弊社とは似て非なるものである。