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見よう見真似の高断熱住宅

2022/02/16

高断熱住宅には欠かせない第1種熱交換型換気扇2時間かけて建物全体の空気を入れ替える。

弊社を真似て高断熱工法と床下エアコンをキャッチコピーとして営業している某社の建物を再度検証した。高気密、高断熱住宅は、高気密、高断熱、計画換気が三本柱であり、この中のどれ一つが欠けても成り立たない。気になる点その①某社の断熱は付加断熱を含め、その殆どが可燃物でもあるプラスチック系の断熱材に依存している。プラスチック系断熱材は解体、災害時に多くの問題を抱えていることから弊社が加盟する新住協では原則的には推奨していない。余談になるが20数年前北欧訪問時プラスチック系断熱材が話題に上がり、日本では何のためらいもなく多くの業者が使用していることに対し失笑されたことを思い出す。環境先進国でもある欧州ではプラスチック系の断熱材は多くの環境問題をもたらことを危惧し20数年前であっても法律よって厳しく規制されていた。しかし日本では多くの業者がプラスチク断熱材を何の問題意識を持たずに使用し続けているのが現状だ。気になる点その②某社はパッシブ換気だけで計画換気ができるというがこれには疑問符が付く。建物容量の1/2を1時間で換気を行うにはパッシブでは不可能だ。イラストによると室内上下の僅かな温度差で対流が起きるというが僅かな温度差だけで計画換気ができるほどの対流を生じることはない。「うちでも高断熱住宅は作れます。性能も他社に負けません。」などとユーザーを信じ込ませるものの高断熱住宅の三本柱の一部でも欠けているなら、それは高気密、高断熱住宅と呼ぶことはできない。実績の伴わない見様見真似のにわか仕立ての建物はいずれ多くの問題を抱えることとなる。