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UA値のみで省エネ住宅と判断しないこと

2022/02/27

壁を強調したモダンな建物です

省エネ基準のUA値は、換気による熱損失が含まれていないことから省エネ住宅を目指すのであればQ値の重要性を以前にもこのブログで指摘した。というのも施工業者の中にはUA値さえよければすべてが省エネ住宅と勘違いしその値のみをもってセールストークにしている業者が多いことにはただ驚くばかりである。建築基準法では室内の換気回数は1時間に0.5回と定められている。つまり室内の空気は2時間で全て入れ替わることを意味する。仮に室温20℃であれば2時間で全て外気と入れ替われば大きな熱損失となる。換気は窓、壁に次いで大きな熱損失を生じる部位であり省エネ住宅を作るうえで無視できない重要なポイントだ。1㎥の空気は1℃暖めるには0.35Wのエネルギーがかかることから標準家屋120㎡の住宅であれば150㎥/時の空気が入れ替わる。冬期であれば0℃の空気と全て入れ替わることとなり1.050Wのエネルギーが無駄になる。これを軽減する対策として弊社の建物には全て熱効率70%以上の第1種熱交換換気が設置されている。UA値は断熱住宅の指標として大切な数値でもあるが、これをもって省エネ住宅であると認識することは大きな間違いだ。高断熱住宅を建てる際には、この数値と共にQ値を質すことで信頼性の高い工務店選びが可能となる。