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気密化の目的(大いなる誤解)

2022/03/16

確実な気密化は水蒸気の侵入を防ぐとともに壁体結露を防止する

「自分で目張りやテーピングをして気密性を高めたにもかかわらず、ちっとも暖かくならないんです」と言ってたのは先にこのブログで紹介した郡山市に住むCさんの奥様の話だ。この話と同様、施工業者やユーザーの中には高気密高断熱住宅は高気密化すればするほど断熱性能がアップすると信じている人が意外と多い。それでは高断熱住宅において気密化する目的とは何なのであろうか?小学校の理科の授業で暖かい空気は膨張(熱気球と同じ原理)し圧力が増すことなどは習ったはずだ。この現象が冬場の室内でも起きている。室内側の暖かく湿った空気は膨張し室外側へと逃げて行く。そしてそのまま断熱層に侵入し外気に冷やされて壁体結露を起こす。気密化の目的はそれらを防ぐことにある。「弊社のC値は1c㎡/㎡を切ってます。私の家はC値が良いので暖かい」など自慢げに話すセールスマンやユーザーもいるが、C値と暖かさは何の関係もないことを改めて理解しておくことが必要だ。合わせて気密性は向上すればするほど表面結露が促進することなども知っておかねばならない。結露を防ぐ対策として最も重要なのは断熱を強化するとともに室内空間をなるべく開放し換気経路を明確にすること。そして廊下部分や間仕切りを少なくして常に隅々まで暖気が届くようオープンで解放感のある間取りを計画することなどがポイントだ。