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外気温5℃なのに無暖房で室温15℃とは?

2022/04/01

高齢者にとって暖かいトイレはヒートショック予防の第一歩

高断熱住宅は外気温が5℃前後であっても室温は暖房なしで15~18℃程度に保つことができる。しかし従来の建物であればこうはいかない。おそらく外気温に引きずられ10℃を切るくらいの室温であろうか。それでは高断熱住宅ではなぜこのようなことが起こりえるのか…それには熱損失係数(Q値)が大きく関与する。この数値は小さければ小さいほど断熱性能が良い建物となる。室内には日射熱や生活発生熱などからなる内部取得熱があるが(いずれも単位はW/時間)この内部取得熱の合計を総熱損失係数Qaで除してやると無暖房時での室温を導くことができる。これを自然温度差と呼ぶ。自然温度差は分母であるQa値が小さい(断熱性能が良い建物)ほど大きくなる。断熱の乏しい建物であれば自然温度差は2~3℃に過ぎないが、高断熱住宅であればおおよそ10℃を超えることも珍しいことではない。これに外気温5℃を加えると無暖房時での室温は15℃となるため結果として暖房エネルギー消費量は激減する。また建物の熱損失が減ると躯体や地盤などの蓄熱効果が上昇し、夜に暖房を停止しても室温の低下が防ぐこともできる。逆に真夏では夜間の換気によって建物を冷却し日射遮蔽を徹底すると涼しさを日中まで保つことが可能となる。今では断熱性能の善し悪しはUA値のみをもって判定しているが、あくまでも省エネ住宅の判断基準はQ値であることを認識しておくことが重要だ。ちなみに付加断熱で施工した建物M様邸ではQ値1.04、UA値0.34そして自然温度差は9.4℃である。