スタッフブログ

ZEHという言葉に惑わされないこと

2022/04/04

全てペアガラスでも暖かい家とは限らない

 今朝、NHKの朝のニュースで大手ハウスメーカーのZEH住宅が紹介されていた。ZEHとは建物の高断熱化を図り、省エネ家電や太陽光発電を組み合わせて使用エネルギーと創エネルギーの収支を実質ゼロとする建物だ。ZEH基準をクリアするには施工実績がなくても机上の計算式だけで導き出すことが容易であり、万が一、躯体性能が劣ったとしても能力の大きい太陽光発電を設置さえすればエネルギー収支の辻褄を合わせることは可能となる。それではZEHでありながら躯体性能が劣った建物の住心地とはどのようなものだろうか?…断熱性能の低い建物は、例えZEHであろうと従来の建物と何ら変わることはなく期待するほどの住み心地にはならない。’ZEHなのにどうして暖かくならないのか’…例えれば太陽光発電を搭載したビニールハウスを想像すればいい。弊社におけるZEH住宅は、新住協が提唱するハイレベルなキューワン住宅(Q値が1.0程度、UA値が0.3~0.4程度以上)の技術が確立された建物を基本とし省エネ、創エネ設備を組み合わせたものだ。しかしながら国の提唱するZEH基準に従えば、あまりにもハードルが低いために寒くて住み心地が悪い建物が建つ恐れがある。ZEHを建てるに当たってはその目的を十分理解すること…そして何よりも、より小さなエネルギーで居住性の高い住まいを作るという高断熱住宅の基本理念があってこそ成り立つものであり、机上の計算式によってのみ作られた建物に大きな期待を寄せるのは禁物だ。ニュースで紹介された千葉は温暖地であり、紹介されていた大きなテラス戸は例えペアガラスであっても寒冷地であればコールドドラフトの元凶となる。大きな太陽光発電だけに頼っただけのZEHには惑わされてはいけない。