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窓を制する

2022/04/11

隙間から外気が侵入するルーバータイプの窓は高断熱住宅には使用できない

「まど」の語源は「間戸」に由来する。元来「間戸」は日本の蒸し暑い夏を涼しく過ごす工夫として南に面する部分を開け放して使用され、室内と中庭の気圧差を利用して微風を得るという生活の知恵でもあった。明治に入って西洋から取り入れられた組積造の建物では「間戸」は壁に開けられた穴として「窓」と表記が改められたとされる。これまでの窓は日本の蒸し暑い夏を凌ぐため外気を取り入れることが主たる目的でもあったが、これからの窓は夏場での熱取得や冬場での熱損失をいかにコントロールできるかなど重要な役割を担う。特に高断熱住宅における窓は、外壁に次いで熱の出入りが極めて大きい部位であることから建築計画時においては十分に注意を払うことが求められる。これらを含め窓の最も基本となるガラスについてポイントを記す。

①サッシは種類によって性能差は大きく家全体の断熱性能を左右する。(樹脂製サッシ、木製サッシの採用

②ガラスの性能を高めればガラスの表面温度は低下しないため冷気流や冷輻射が低減し快適性が向上する。(Low-Eガラスの採用

③性能が高いガラスは結露がしにくい。(Low-Eガラスの多層化

④窓からの日射取得熱は暖房費に大きく影響を及ぼす。(Low-E 日射取得型ガラスの採用

⑤窓の大きさ、配置、ガラスの日射熱透過率は省エネ性能に直結する。

窓がアルミサッシから断熱サッシに置き換わった時期であっても、その断熱性能は壁の1/10の低さだったがサッシとガラスの性能は近年大きな変遷を遂げ、樹脂とトリプルガラスを組み合わせた場合では1/3程度までその差が縮まりサッシの断熱性能は3倍以上向上した。省エネ住宅を作るには窓ガラスの選択や組み合わせが建物全体の断熱性能を大きく左右するため、建物のプランニングに際しては窓の配置などと共にガラスの日射進入率を考慮するなど様々なケースを想定したシュミレーションが重要となる。

Low-EEEmissivity(放射)つまり低放射ガラスの意味でありEnergyではない。