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在来工法はなぜ寒い

2022/04/27

パラマウント長沼工場内の体験館は高断熱住宅の良さを実際に体験することができます。

気温が低い日にネクタイを締めると暖かく、逆に緩めると首元からシャツや下着の中で暖められた空気が逃げてとてつもなく寒い。実は在来工法の建物ではこれと同じ現象が起きている。在来工法による仕切りの壁には殆ど断熱材は充填されてはいない。土台部分と天井部分はともに外気と直結し冷たい空気が出入りしている。室内を温めると石膏ボードとクロスのみの壁から伝わった熱は仕切り壁の内部の空気を温めることにより空気は上方へ移動する。すると床下の冷たい空気が壁の内部に引き込まれ冷気の循環が生まれる。この一連の流れを壁内気流と呼ぶ。冷たい壁内気流は結露の原因でもあり、これを止めない限り断熱材も効くことはない。在来工法の建物をある程度暖かくするには壁の上下に気流止めを充填すれば、ある程度改善はされるが本来の充填断熱に比べてその性能を超えることはない。しかしどうしても我慢ができないのであればトライする価値はあるようだ。気流止め及び断熱改修する千載一遇のチャンスは経年劣化によって外壁などを張り替える計画があればがなお合理的だ。外壁を剥がし外周の壁を露出させ基礎断熱と充填断熱を行えば在来工法の住宅は高断熱住宅へと変貌する。室内空間はネクタイをしっかり締めた時の首周りの感覚と同様暖かくなることは間違いない。