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防暑、涼房計画その②通風・換気

2022/05/09

北面に位置する開閉高窓換気は熱だまりの排出や涼風の取り込み口となります

涼房を実現するためには、日射遮蔽と通風・換気を組み合わせて行うと効果的だ。通風と換気は日常同義語として使用しているが、それぞれの意味合いは異なる。通風とは住まい手の生活領域に風を通すことであり人体に直接風を当てて涼しさを得ようとする夏の住まい方である。一方換気は室内の空気を新鮮な空気に入れ替えることであり汚染された空気を速やかに排出し新鮮な外気を給気することだ。そして換気は夏だけでなく24時間求められる。ただし夏場における換気とは室内の熱気を排出するために外気の取入れを行うことを意味し例えば高窓を開放して室内の空気を入れ替えを行う手法がこれにあたる。通風計画においては窓の大きさよりも開口の方位や高さなどが重要となる。更に夏の主風向に合わせて風が通り抜けるよう「風の道」をデザインすることも重要だ。窓は開き方、風向,位置、周囲の状況によって室内に入る気流速度や風量が変わってくる。また高窓換気は室内上部に溜まった熱気を上下の温度差によって排出することができるため大きな面積が確保できれば1階だけでなく2階からも外気が直接侵入してより涼しさを実感できる。そして最も気温が低くなる夜間に建物を冷やしておくと日中暖まった外気を入れるよりも窓を閉めて躯体温度を上げないようにすることによって涼しさを得ることが可能となる。弊社はベタ基礎土間の大きな熱容量を利用して外気を一度床下に取り込む方法を採用し、これによって躯体蓄冷と断熱の大きな相乗効果が涼しさを実現させている。