言葉に惑わされないこと、ある業者のセールストーク
2022/08/31
高断熱住宅を建てるにあたり市内のある会社に話を聞きに行ったというAさんの話によれば「弊社でも環境建設さんと同じかそれよりも性能の良い建物を建てられますよ」と言われたそうだ。某社のホームページだけ見れば客側としては信用してしまう。しかし某社は高断熱住宅の基礎知識などなく見よう見まねで各社の高断熱工法を模倣し営業戦略としてきたようだ。そして弊社との最も大きな違いは外皮に使用されている断熱材だ。某社は石油化学製品でもあるプラスチック断熱材を使用して断熱性能(UA値)の優位性をアピールしている。確かに発泡ウレタンやプラスチック製の断熱材はグラスウールに比べ断熱性能が優る。しかしその値のみをもってのみ判断することは早計だ。その理由として高断熱住宅を作る目的をもう一度立ち止まって考えれば明らかだ。高断熱住宅は暖冷房エネルギーを大幅に削減する。消費エネルギーは住宅の性能(Q値)が関与する。つまり性能がよければ小さなエネルギーで快適な生活が可能となり在来の住宅に比べCO2の排出を大幅に削減する。しかしプラスチック断熱材はそうはいかない。建物1棟当たり使用される量は大型トラック1台分にも相当し数十年後の解体焼却時には大量の温暖化ガス(黒煙)をまき散らす。つまり今はエコでも孫や子供の時代にはアスベスト同様、厄介者のリストに包含される危険性すら想定される。余談になるが20数年前北欧訪問時、日本で盛んに使用されているプラスチック系断熱材が話題にのぼり何のためらいもなく多くの業者が使用していることに対し現地の関係者から失笑されたことを思い出す。(欧州ではロックウール、グラスウール、セルロースファイバーを使用)環境先進国でもあるドイツや欧州ではプラスチック系の断熱材は多くの環境問題をもたらことを懸念し20数年前であっても法律よって厳しく使用が規制されていた。しかし日本ではどうだろうか?…全くの野放し状態である。今でも多くの業者が何の問題意識も持たず漫然とプラスチク断熱材を使用し続けているのだ。「うちでも高断熱住宅は作れます。性能も他社に負けません。」などとユーザーを信じ込ませるものの高断熱住宅の確たる信念及び実績の伴わない見様見真似のにわか仕立ての建物は、いずれ多くの問題を抱えることとなる。