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29年目の耐震、断熱改修における検証と効果

2023/01/19

耐震板施工後の外壁下地の様子

昨年10月末から着工した自宅の耐震、断熱改修について結果とその後の効果を検証した。拙宅は平成6年の秋に完成した木造瓦葺窯業系サイデング張の2階建2世帯住宅だ。弊社は平成4年から本格的に高気密、高断熱工法に取り組み、その2年後となる平成6年は弊社にとっても漸く高断熱住宅とはどんなものか分かりかけてきた時代でもあった。また当時は頻発した大地震の前でもあり現在の耐震基準における面材による補強などはなく筋違のみで建てられたことからその後の相次ぐ大地震によって内壁のひび割れや剥落等の被害が発生した。そのため今回の改修においては、まず第一に耐震強化を図ることを主目的として外部サイデングを全て撤去し耐震板で補強を行い、合わせて天井には300~350㎜のブローイングを施工した。その結果、家族から就寝時において寒いと言われていた北側寝室は平均で2~3℃上昇し、目立っていた窓面下部の結露も気にならない程度となった。室温上昇の原因はいくつか考えられるが、最も効果があったと推察されるのは外部に施工した耐震板であろう。これによって気密度が上昇しグラスウール本来の性能が呼び戻されたこと。また新築当初から天井に敷設された二重のグラスウールは、木材の収縮による間隙などによって十分効果が発揮できていなかったが、これもブローイングによって間隙が充填され、さらに厚さが倍増したことが相乗効果となって表れた。いずれにしても今回の改修は、眠っていた既存の断熱材の役割を目覚めさせた結果となり、今後の長寿命化と共に節電対策にもつながる価値ある改修工事でもあった。