CO2の削減にはUA値よりQ値に注目
2023/12/05
先日ドバイで開催されたCOP28において、日本は4年連続で不名誉な「化石賞」を受賞することとなりました。国は世界に対して2030年までに現況より60%以上のCO2削減を公約に掲げていますが、その取り組みのペースは遅く、公約を達成するには民生部門における全ての新築住宅がゼロ炭素仕様にしなければ間に合わないとも言われています。一般的に建物の断熱指標とされるUA値(平均熱貫流率)は外皮の面積に対する床面積よって数値が変化し、同じ床面積でも総2階建と平屋では平屋の方がUA値が小さくなる傾向がある反面、逆に暖房負荷は大きくなってしまう現象が生じます。これらの結果からUA値さえよければCO2排出が少ない建物とも言い切れず、建物の形状や窓の位置、総熱損失の1/3を占める換気計算などを考慮して初めてCO2の排出と省エネの程度が明らかになるのです。つまり暖冷房負荷を削減してCO2を減らす建物とするには、UA値のみに捉われるだけでなく建物全体の熱損失の指標でもあるQ値(総熱損失量)に注目してその性能を判断することが重要となります。
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