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UA値だけでは決められない省エネ性能

2023/12/26

昭和の大スター石原裕次郎と作曲家浜口庫之助

高気密、高断熱の基本は字のごとく高気密でかつ高断熱、これに加えて計画換気が三大原則であることは高断熱住宅を施工する業者なら常識と言われています。しかしながら最近では外皮平均熱貫流率を表すUA値が独り歩きし、UA値さえよければ暖かくランニングコストもかからない建物であるかのような宣伝文句が席捲しているようです。確かにUA値が良ければ室内外の熱の出入りは小さくなり常識的には少ないエネルギーで快適な空間を作り出すことはできますが、これだけでは性能が良い建物とは言い切ることはできません。高気密、高断熱住宅は、前述のように計画換気が必須です。ただし換気扇のみを設置すればいい話ではなく、例えば一般的に室内の空気を排出する第二、三種換気を使用すれば、せっかく暖められた空気は排出され続け、これを補うためにエアコンやヒーターを連続的に稼働させなければならなくなります。これこそが資源の無駄遣いであり、いくらUA値が良くてもこれでは省エネ住宅には程遠い建物となってしまいます。そのため弊社は高断熱住宅は必ず第一種の熱交換換気を使用することを基本し予め建物の容積と換気回数を決定して機種を選定しています。また第一種換気扇は暖められた空気の約7~8割を回収することが可能であり、換気計画においては部屋の隅々まで着目し、ダクト配管によって新鮮でかつ暖かい空気の回遊を作り出すよう設計し施工しています。巷にあふれる高断熱住宅と言われる建物の性能は業者によって様々ですが、中には高額なお金をかけても全く暖かくなかったと言われる建物も数多く存在します。確かな建物を作るには、まずは高断熱住宅の基本を知ることが重要であり、UA値のみが良いからなど表面上の情報のみに惑わされることがないよう確かな設計事務所や業者を見つけることが大切です。