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プラスチック断熱材の危険性(羽田航空機事故の教訓)

2024/01/19

1月2日に起きた日航機と海保機の衝突事故の原因が徐々に明らかになってきた。それにしても空を飛ぶ頑丈そうな飛行機が短時間のうちに炎に包まれる様子を見て愕然とした人々も多いはず…飛行機は大量の燃料を積み込むために内装などは難燃化されている,にも拘わらず後部から上がった炎が瞬く間に全体に広がり骨組みだけを残して無残な姿をさらけ出してしまった。消火に手間取った最大の原因は、胴体内部などに使用されているプラスチック断熱材だったことが指摘されている。住宅に於いてもウレタン吹付を含むプラスチック断熱材は、断熱性能の高さや施工の容易さから大手ハウスメーカーをはじめ地場の工務店でも外断熱工法として盛んに使用されている。プラスチック断熱材は一度着火すると瞬く間に燃え広がり大量の黒煙と高熱を発し消火が厄介な建材でもある。これらの原因で起きた火災での死者は、焼死者よりも一酸化炭素による中毒死が圧倒的に多いとも言われ、2017年6月、英国で起きた高層マンション火災では、外壁に使用された可燃性の断熱材に通気層から火炎が侵入したことが原因とされ多数の死傷者を出した。このような事象を踏まえ、識者の中にはプラスチック断熱材を使用すれば必ず燃えてしまうものであり、重大な被害を発生させる事実を認識することも重要だと危惧する声も聞かれる。TVの映像からも数十台の消防車で消火作業を行ったのにも関わらず、ものの数十分で原型を留めないほど焼き尽くされた最新鋭機の姿は痛ましく恐ろしい。航空機と同様、プラスチック断熱材を大量に使用する住宅では、およそ10トントラック1台分に匹敵するとも言われる。断熱材は難燃、不燃が基本であることを教訓とした事故でもある。