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断熱改修が地域を変えたという話

2024/10/24

低断熱住宅はビニールハウス

ビニールハウスは薄いビニールで覆われ日が照れば冬でも暖かい。この理屈は隙間がないため断熱性がゼロであっても熱が逃げないためである。しかし陽が落ちるとたちまち寒くなる。このため夜間には植物の成長を妨げないようにボイラーで加温しハウス内の温度を一定に保たなければならない。低断熱の建物にもこれと同様なことが起きている。晩秋、日中は日射取得熱によって暖かい部屋でも、夜間は暖房なしでは肌寒い、更に布団を出して寒さを凌がねばならない生活を余儀なくされる。秋であるにも拘わらずこれでは暖房費が増えるだけで生活の質などが向上することはない。

低断熱の有名別荘地

軽井沢は避暑地の代名詞であり別荘の集合エリアでもあるが、冬季の寒さは半端ではなく零下20度あたりまで低下したうえ浅間山から吹き降ろす風は肌を刺し耐え難い寒さと言われる土地柄でもある。そのような気候の中で夏を対象に建てた別荘は厳しい冬の寒さには対応できず、ただ高額な管理費用を払って半年以上遊ばせておく’勿体ない建物’の代表格だ。しかし不思議なことにそれらは過去のこととなり、今では通年に渡りこのエリアに定住する人々が増え続けているという。

断熱改修が地域を変えた

このような現象に至った理由の一つには、別荘の高断熱化を図ったことが大きな要因であろうと推測されている。冬期に全く利用されていなかった別荘は、いわば宝の持ち腐れ…これを勿体ないと思った某所有者が地元の業者に依頼して断熱改修を行い冬を過ごしてみたところ、今まで毛嫌いしていた寒くて厳しい冬景色が美しい自然そのものに見えてきたことに感動したという。これが口伝いに知れ渡り、次々と改修が行われた結果、多くの住民が定住する通年型の高級住宅地に様変わりし地域に有形無形の恩恵をもたらすこととなった。

豊かな人生を送るために

どんなに価値のある建物であろうとも寒ければ人は住まないし、まして冬期に別荘などには訪れることはない。しかし断熱改修を行えば、例え週末に限って訪れても身の縮む思いをすることはなく暖かい別荘から冬空に輝く満天の星を眺めて身も心もリフレッシュすることができる。長年「暖房しても寒くてかなわない」と我慢して住み続けていた我が家なら、なおさら断熱改修をお勧めしたい。改修後、温かく変貌した建物は極寒の日ほど誇らしく感じられ、より良い生活を愉しむことができはず。寒いことが原因で使いにくいとされる建物は低断熱の別荘同様、’勿体ない建物’そのものでもある。